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今回はこちらの書評になっています。
タイトル通りの社会人のため、この本を選択しました。
やはり池上彰さんの本は読みやすいですね。
わかりやすく書いており、スッと吸収できます。
2004年に出版されつつ、改訂もされているため現在になっても十分通用する本です。
フレッシュマンだけではなく、30代、40代の方にでも読んでいただきたい本になっています。
おすすめ・読む価値:
本書は
買う、投資する、借りる、世の中をつかむ、備える、納める
の6つの章に分類されています。
ぱっと読んで、自分の興味があるところや知らなかったところを
重点的に読む読み方をおすすめします。
買う
この章では
経済全体の成り立ちについてまとめています。
今現在の日本の不景気(コロナによる恐慌の前のデフレ時代の話です)を
どうやって、変えていくかについて触れています。
不景気の中、カーリースやカーシェア、マンションの賃貸など買わずに過ごす選択肢は
たくさんあります。
また、ユニクロなどの安くても品質が良いものが販売されるようになり
ブランド品など高級品を買うことが良いことなのかといった疑問を我々に突きつけてきます。
ただ、作者いわく結局大事なものは、
自分が選んで良いと思ったものは値段に関係なく良いものであり、
自分のマンション、車も欲しいと思うなら
迷う必要はなく、買うべきなのだと説いています。
一番大切なのは、自分がどういう価値観や将来のビジョンを持っているかです。
人に言われるからなんとなく買ったりするのではなく、
自分で考えて、自分の将来に必要なものなら
どんなものであれ、買って良いのです。
大事なのは将来のことを考えて、吟味した上で納得して買うことなのでしょう。
- 将来のことを考えて、自分に本当に必要なものを買うようにしよう
投資する
この章は特に重要なことは記載ありませんでした。
株式会社の意味、株式投資についての内容。
こちらの
ETFのおすすめについてです。
借りる
この項目で大事なキーワードは自己資本比率です。
我々がお金を預ている銀行が安全かどうかを確認するには
銀行の自己資本比率を確認しましょう。
預けたお金は銀行から
いろんな会社に貸し出されているので、
銀行にお金自体はほとんど残っていません。
貸し付けてりしをもらう、これは銀行の”資産”です。
自己資本とは純粋に銀行にストックすれているお金のことです。
貸し付けた先が倒産したりして、回収できなかったお金というのは
皆さんの預金から出しているお金なわけです。
それを穴埋めできる”自己資本”をたくさん持っているほど
安定した銀行ということになります。
その目安が”自己資本比率”になります。一般的には8%が目安と言われています。
銀行から借金すると信用も得られる
消費者金融などは審査が簡単なため、
多くの人が借りることができますが、
金貸しのプロである銀行の査定は厳しく
信用できない人には絶対にお金は貸してくれません。
クレジットカードの新規申し込み用紙に住宅ローンの有無を
記載する項目があるのは、住宅ローンを銀行から
借りることができるだけの信用があるとの証明になるのです。
メインバンクを作り、なるべく”通帳を汚す”ことを継続していくことが
銀行への信頼関係を築く手段となります。
- 銀行の自己資本比率を確認しよう
- ”通帳を汚して”銀行との信頼関係を築こう
備える
この章では保険会社について触れています。
私が今でも覚えているのは20代の頃保険会社は
どうやって利益を出しているのだろうということを
友人に聞いたことを覚えています。
そうです、社会人になるまで保険会社の内容など知ることもなく
過ごしているわけです。しっかりと答えられる人の方が少ないのではないでしょうか。
実は、保険会社も金融機関なのです。
我々が払い込んだ掛け金を、企業にお金を貸したり、土地を買ったり
国債を買ったりしています。
ただ保険会社は、銀行のように預金者がお金を預けたり出したりしないため
お金の出入りが安定しています。
つまり、毎月決まった額が入ってきて、保険金としてでていく額もある程度
予想がつくため、保険会社は長期的な投資ができるようになっています。
では、どの保険会社が健全かを確認する方法としては”ソルベンシーマージン(solvency margin) 比率 ”
という数字があります。
これはその保険会社に、予測を超えるリスクに対してどれだけ支払い能力があるかを示す数値です。
200%以上あればその保険会社の経営状態は問題ないということを示しています。
- 保険会社は金融機関、保険料も大事だが健全な保険会社かどうか確認するために”ソルベンシーマージン比率”を確認しよう
納める
最後は税金に関してです。
消費税などで我々は税金というものを意識したりはしますが
住民税、自動車税など住んでいるから、車に乗っているからということで
代償としての税金を払って納得している節があります。
実はもっと多くの税金を払っているのです。
なぜ税金についてあまり触れなくなったかというと
1940年、国が戦争の資金を集めるために個人ではなく会社に全てを任せることで税金を効率よく集めようと
作られた制度です。それが戦争が終わって70年経過した今でも、まだ残っているのです。
本来は、一人一人が国に直接税金を払わなければならないところを会社が代行するため
サラリーマンやOLは税金を払っている実感をなくしてしまいました。
結果、税金の使い道についてうるさく言わない国民性が出来上がったのです。
なんということでしょうか。
戦前の税制制度が今もなお継続しているのです。
自分で手続きをして、税金を国に収めるといろんな意見が出るため
あまり口うるさくいわないようになっている今の税制を政治家は利用して
継続しているのでしょうか。
悲しい話ですね。
ただ、国会議員、政治家の給料など含めて我々の税金から支払われているわけです。
この国をもっとよくするために、我々が働いて得た給料やバイト代からでたお金を
政治家に託しているわけですから
無駄遣いを許してはいけないのです。
我々は税金を納めている ”タックスペイヤー(tax payer)"なのですから、
税金をどう使えば良いか自分で考え、税金の使い方に対してうるさく口を出すべきなのです。
まずは タックスペイヤーとしての自覚を持つことから始めていきましょう。
タックスペイヤーとしての自覚を持ちましょう
書評
- 自分が必要と思うものを吟味して買うことは悪くはない
- 銀行の自己資本比率を確認する
- 通帳を汚すことで銀行との信頼関係が築けていく
- 保険会社も金融機関、ソルベンジャーマージン比率を確認して会社を選ぶ
- 税金を納めている タックスペイヤーとしての自覚を持つ
なかなか知らないことばかりの内容でした。
簡単に読めるのに
ポイントがまとまっており
本当に我々が必要としている知識が詰まっています。
みなさんもぜひ一度は読むことをおすすめします。