SPXLについて

投資の手ごたえが得やすいアメリカのETFは、日本でも人気がある商品です。個人投資が普及しているアメリカでは、ETFで手持ちの資金を運用する人が多い傾向があります。今回は、日本の投資家からも注目されているSPXLについて解説します。SPXLの概要や分析のアプローチ、運用する際のポイントやこの商品が向いている人なども紹介しましょう。

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SPXLS&P500に連動したアメリカのETF

SPXLは、アメリカの株価指数であるS&P500に連動したETFです。ETFは、株価指数と連動した値動きをするのがひとつの特徴です。実際、日本のETFの場合は、東証株価指数などに連動して値動きをしています。アメリカのETFには、このS&P500と連動している商品がたくさんあります。たとえば、ニューヨーク証券取引所に上場しているIVVVOOなどは、SPXLと同様にS&P500と連動しているETFです。日本の株式市場に上場しているSPDR S&P500 ETFも、S&P500と連動した値動きをすることで知られています。

 

 

SPXLの大きな特徴は、S&P500株価指数3倍のレバレッジをかけて運用する商品であることです。

 
このETFの場合、運用が成功したときには投資をした金額の3倍のリターンが期待できます。SPXLは、アマゾンやアップル、マイクロソフトなどのアメリカの大手企業のさまざまな銘柄を組み合わせて構成されています。レバレッジをかけて大きなリターンを得る商品は、アメリカではとくに人気です。SPXLのようなETFは運用する際にちょっとしたテクニックが必要ですが、個人投資家が多いアメリカでは、リスクを踏まえたうえで上手に資産形成に活用している人が少なくありません。

レバレッジETFは、一般的に信託報酬などの運用コストがかさむ傾向があります。SPXLの場合も、信託報酬は0.95%とやや高くなっています。レバレッジで見込めるリターンとコストのバランスを考えることも、SPXLを運用するときのポイントになってくるでしょう。SPXLについて興味を持っている人は、このETFのリスクが気になることも多いようです。実際、3倍のレバレッジをかけて運用するSPXLは、損失がでたときのダメージが大きくなります。このETFを運用するときには、手持ちの資金の額などを考えながら、どのくらいの金額まで投資ができるかを見極める必要があるでしょう。

SPXLを分析するときのアプローチ

SPXLの運用を始めるにあたっては、商品のパフォーマンスやリスクを見極めるSPXL分析をしておいたほうが安心です。このような分析を行う際には、SPXLS&P500の過去数年間のチャートが参考にできます。このようなチャートは、大手情報サービスのブルームバーグのサイトや、証券会社のサイトなどで随時チェックをすることが可能です。過去数カ月の短期の値動きと過去数年間の長期の値動きを見ておくと、SPXLの現状が分析できる可能性があります。SPXLの値動きは、基本的にS&P500と似ています。ただし、3倍のレバレッジをかけて運用しているSPXLS&P500の値は同じではありません。

連動しているとは言っても、上昇率や下落率はその時期によって微妙に変わります。値動きをチェックする際には、少なくとも数カ月間のデータを見て、上昇率や下落率をチェックしておく必要があるでしょう。SPXLのパフォーマンスを知りたい場合は、S&P500と連動しているほかの商品の値動きが参考にできます。たとえば、SPYVOOの値動きはSPXLのパフォーマンスを調べる際に役立つかもしれません。3倍のレバレッジをかけることで金額にどのくらいの差がでるかを見ておくと、SPXLの魅力をより理解することができるでしょう。

リターンが大きい反面リスクもあるSPXLは、万が一不況に陥ったときに値動きがどう変化するかも気になるところです。株価と連動しているETFは、社会情勢の影響を受けやすいのがひとつの特徴です。株価指数が下がるような出来事があったときに値動きがどう変わるかを調べておくと、想定される損失の分析ができる可能性があります。2008年に設定されたSPXLは、2020年の時点ではチェックできる過去の情報が限られています。新型コロナウイルスによる影響などもチェックしておくと、以後の値動きがより具体的にイメージできるかもしれません。

SPXLの運用では今後の成長を見守れるかどうかがポイントになる

SPXLは、2020年までのチャートの値動きを見る限りでは、今後の成長も十分に見込めるETFと言えます。ただし、ほかの商品と同様にSPXLの成長も100%の確率で現実になるという保証はありません。実際、SPXLが連動しているS&P500は、過去に価格が大幅に下がった時期があります。2020年以降も同じような現象が起こると、SPXLの成長が途中で中断されることもあるでしょう。成長が中断されて価格が値下がりすると、3倍のレバレッジをかけたSPXLでは損失が大きくなってしまいます。

SPXL
は運用中のコストが割高なこともあり、日本では短期的な投資で利用される傾向があります。このETFの場合、長期投資はリスクが高いと考えられているため、短期投資で利用をしている人が多いです。実際、SPXLを長く運用していると、不況などの社会情勢の影響を受けて後に価格が下がってしまうケースもあります。このような状況に陥っても、再び価格が回復すれば問題はありません。SPXLで長期投資をする場合には、商品の成長を見守れるかどうかが判断のポイントになるでしょう。

長期投資でSPXLが期待通りの成長を遂げた場合、リターンは予想以上に大きくなる可能性があります。成長を見守りながら長くお金を運用していくか、リスクを避けて目の前の確実な利益を得るかは、SPXLで投資を始めるときの悩みどころになるかもしれません。

 

SPXLが向いている人は?

投資に充てられる資金が少ない人、ハイリターンの商品を探している人は、このSPXLが向いている人です。3倍のレバレッジをかけて資金を運用するSPXLは、当初の投資金額が少なくても後に大きな利益が期待できる商品です。失っても困らない余剰資金のみを運用すれば、万が一損失がでてもダメージは最小限に抑えられるでしょう。投資では、ある程度の利益が見込めないとモチベーションが維持できない人も多いです。SPXLのような商品なら、投資のメリットに半信半疑だった人でも思い切ってチャレンジができるかもしれません。

SPXL
は、投資のスリルを楽しみたい人にも向いているETFです。このETFは価格の変動が大きく、運用中は値動きを見てハラハラドキドキとすることがあるかもしれません。投資のスリルが味わえるところは、SPXLの大きな特徴と言えます。値動きがほとんど見られない商品に物足りなさを感じているときなどは、SPXLのような価格の変動が大きい商品の購入も考えてみる価値があります。短期投資で自分の投資スキルを磨いていきたい人にとっても、SPXLは魅力的な商品になるかもしれません。

「お金を長く運用して大きな資金を作りたい」という人にも、SPXLは向いています。レバレッジ3倍のSPXLは、成功したときに予想以上に大きなお金が手に入るのが魅力です。株価指数の変動を見守ってじっくりとお金を育てていきたいときには、あえてSPXLのようなハイリスクハイリターンの商品にチャレンジしてみるのもひとつの方法です。2020年以降も引き続きSPXL株価指数が上昇した場合、長く運用するほど得られる利益も多くなります。株価指数の変動状況によっては、予想よりも早く目標の利益が得られるかもしれません。

 

投資商品はメリットやデメリット、目的を意識して選ぶことが大切

レバレッジをかけて運用するSPXLは、成功した場合に大きな利益が見込める商品です。ただし、運用中にはリスクも伴います。これから投資を始めるときは、メリットとデメリットをしっかりとチェックしたうえで自分に合った商品を選ぶことが大切です。商品を選ぶ際には、「なぜ投資をするのか」という自分の目的も意識しておきましょう。